常夏の楽園ハワイにも「受験戦争」があるのをご存知でしょうか?ハワイの二大人気校といえば、オバマ大統領が卒業したプナホウスクール、そして学業優秀なアジア系生徒が多いイオラニスクールです。両校とも150年以上の歴史、充実した設備、優秀なスタッフ、各界で活躍する卒業生、そして潤沢な資産を有する幼稚園から高校までの一貫私立校です。
プナホウ・イオラニは大学進学を目的としたプレップスクール(準備学校)で、毎年の大学進学率はほぼ100%。進学先リストにはハーバードやイエールなど世界最難関とされるアイビーリーグ8大学をはじめ、スタンフォード、MITなどの名門大学が名を連ねており、子どもにトップ大学進学を希望するハワイの教育熱心な家庭から絶大な支持を受けています。
両校とも入学枠(受験可能学年)がある学年が、幼稚園、6年生、7年生、9年生(プナホウは4年生もあり)と決まっているので、何年生で合格を目指すのか、事前のプランニングが重要です。またアメリカの受験はテスト成績や内申書の内容だけでなく、スポーツや芸術分野での活動実績やリーダーシップなど、生徒の能力と人格を総合評価して合否を決定するので長期的な受験戦略が必要です。
日本人(バイリンガル)の幼稚園受験
よくハワイ在住の日本人から「幼稚園受験をしたいのですが」と相談を受けます。ハワイの受験は日本のお受験に比べてはるかに簡単!そう思っている方が多いのですが、プナホウ・イオラニに関しては、日本のお受験と同様、数少ない入学枠を巡って熾烈な受験競争があります。両校ともESL(英語を第二言語とする生徒)受験はありませんので、同年代のネイティブの子どもと同レベルの英語力を有していることが最低条件です。
バイリンガルの子どもの言語発達は「母語」→「第二言語」という順をたどります。幼稚園受験をする年齢は4〜5歳ですから、第二言語である英語がネイティブの子どもよりも遅れているのが普通です。もちろん現地のプリスクールに通っていれば英語の日常会話は問題なくこなすことができます。しかし、プレップスクール受験で求められるのは、日常会話レベルでなく、高度で複雑な認知と思考を伴う英語力です。
日本でもアメリカでも、名門校受験においては学年トップレベルの言語運用能力が要求されます。日本に住む外国人が慶応幼稚舎や早実初等部を受験しても(日本語力が弱く)合格が困難なように、プナホウ・イオラニ受験は、英語力が発達途上のバイリンガルの子どもにとって非常にハードルが高いのです。
受験では自己表現力が必要
もう一つハワイのプレップスクール受験で重要なポイントが「コミュニケーション力」です。日本では子どもが学校の先生や大人に意見を言うと「礼儀知らず」「生意気」と思われます。しかし欧米社会では、幼い子どもであろうとも、自分の考えをはっきりと言葉で表現することが求められます。自分の考えを言わないと「何も考えていない」「理解していない」という悪い印象を相手に与えてしまいます。
ハワイの幼稚園受験では、個別面接で子どもの言語力、学力、認知力、情緒、性格などが詳細に評価されます。ペーパーテストはありませんので、面接時にどれだけ「言葉で」自己アピールできるかが合否を大きく左右します。
あくまでも一般論ですが、日本人の子どもは大人とのコミュニケーションが苦手で自己表現が控えめの印象があります。そのためアメリカの受験では「実力よりも低く評価される」ケースが多いのです。いくら才能や能力があっても、それを上手に伝える訓練がされていないので、自己表現が得意なネイティブの子どもたちに比べて見劣りしてしまいます。
家庭教育で自己表現力を育てる
国際社会において自己表現力はコミュニケーションを円滑にするために必要な力です。英語力に加えて自己表現力が育てば、世界中の人たちとスムーズに理解し合えるようになります。子どもの言葉は、親が少し対応を変えるだけで驚くほど変化します。家庭では指示・命令・指図を減らし「対話」を増やしましょう。子どもがもっと深く考え、もっと自己表現したくなるように上手に導いてあげましょう。
船津徹公式サイト
ハワイ、LAのバイリンガルスクールTLC for Kids代表、船津徹です。バイリンガル教育、英語教育、ハワイ私立校受験、アメリカプレップスクール受験、ボーディングスクール受験、アメリカ大学受験など、世界で活躍できるグローバル人材育成をサポートしています。
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